不登校でも学校側が十分に対応しにくい3つの理由|保護者がサポートするべき
この記事ではお子さんの不登校で悩んでいる保護者の方々に向けて、不登校でも学校側が十分に対応しにくい理由などについて解説していきます。特に学校に相談してもあまり対応してくれなかったという方や、学校にはあまり多くを望んでいないものの保護者として何をすればいいかわからないという方におすすめの内容となっています。
本記事では、不登校でも学校側が手厚い対応をしにくい理由、そして保護者がサポートして不登校から復帰させるためのポイントなどに関してお話ししますので、ぜひ参考にしてください。
不登校でも学校側が十分に対応しにくい3つの理由
それではお子さんの不登校について相談したり、要望を伝えたりしても学校側が十分に対応しにくい主な理由を挙げていきます。学校が手厚くサポートしてそれにより再び学校に行けるようになるのが理想だと思いますが、それが叶いにくい現実があります。
理由1:学校側にリソースが足りない
学校側ができることなら対応したいと思っている場合でもリソースが大幅に足りず、ケアがあまりできないケースが少なくありません。いくつかの項目に分けて具体的に見ていきましょう。
教員が忙しすぎる
毎日の授業、授業の準備、部活動、各種事務作業などに追われて、不登校のお子さんへの個別対応が物理的にあまりできない場合が少なくありません。
それでも教員なのだから対応してほしいと感じるかもしれませんが、例えば毎日の帰宅時刻が23時以降になる人もいるなど、学校側の状況が深刻である可能性も否定はできません。気になる場合はお子さんが通っている学校についてそれとなく調べてみるのもいいでしょう。
専門家が足りない場合も
様々な相談ができるはずのスクールカウンセラーやソーシャルワーカーが学校にいる日数が少なく、不登校について頼りにくい学校が少なくありません。また、学校によってはそもそもスクールカウンセラーやソーシャルワーカーがいないこともあります。
その場合は保健室の先生などに相談する方法もありますが、専門職に比べると、不登校に関する専門的なサポート力は限定的になりがちです。
予算不足
予算があまりなくても不登校のお子さんのサポートはできますが、別室の準備や、専門教材の用意などはできないかもしれません。
理由2:学校の制度やルールの影響
制度やルールの影響で、不登校のお子さんがいても変化できない学校も少なくありません。こちらも具体的にいくつか見ていきましょう。
不登校のお子さんをサポートしても評価されない場合も
出席日数や勉強面の成績でしか教員が評価されず、生々しいですが教員側に不登校のお子さんをサポートするメリットがない場合が少なくありません。
それでも情熱的に取り組んでほしいと感じるかもしれませんが、特に多忙な教師ともなるとそれも難しいでしょう。また、教員も人間ですから、自分のプラスにならないことにそれほど労力を注げない人もいるはずですよね。
学校は多人数同時教育を基本にしている
日本の学校の大半は多人数同時教育を基本にしており、不登校になりそう・なっている個人のケアに力を入れるのは難しい場合が少なくありません。
それでもリソースが潤沢なら対応できるかもしれませんが、先ほどもお話ししたようにそうではない学校がほとんどですので、どうしても不登校のお子さんへの対応の優先順位は低くなりがちです。
トラブル発生時は不登校のお子さんに対応した教員が責任を問われやすい
本来なら不登校のお子さんをサポートするのは好ましい行為のはずですが、それが前例のないこと、ルールや規則から外れていることとみなされれば、実際に行動を起こした教員が責任を負うことになるケースが少なくありません。
また、具体的に責任を取らされることはなくても、周りの教員にやめておくように諭される場合も。そのため不登校のお子さんへの対応は申し訳程度に済ませて、周囲の教員やなんとなくの空気感に合わせてしまうのも致し方ないことかもしれません。
理由3:専門性の不足
学校側が不登校のお子さんを復帰させたいと考えても、専門性が不足していてそれができない場合も多いです。こちらも具体的に見ていきましょう。
多くの教員は不登校児への対応方法などを学んでいない
例えば大学の教職課程では、基本的な教科教育や集団指導に関する学びがメインであり、不登校児への対応方法などはあまり学んでいない場合が大半です。
実際に教員になってからノウハウを身に付けることも不可能ではありませんが、やはり教科教育や集団指導に追われて、そこまでの余裕がないケースがほとんどといえるでしょう。
スクールカウンセラーやソーシャルワーカーでさえ専門性が不足している場合も
スクールカウンセラーやソーシャルワーカーでさえ専門性が不足している場合が少なくありません。
それでも一般教員よりは手厚くサポートするかもしれません。しかし例えばお子さんの話をじっくり聞く、元気になったら学校に行きましょうと伝えるなどが限界で、具体的なケアはできていないことも多いようです。
構造的に不登校児対応のノウハウが蓄積されにくい
学校側に不登校児対応のノウハウが蓄積されていくのが理想ですが、それは構造的に難しいといえます。その主な理由は以下の通り。
- 教員の入れ替わりが激しいためリセットされやすい
- 不登校児がそれほど多くないため経験が積み上がらない
- 他の業務に追われてノウハウを積み上げていく余裕がない
あえて悪い言い方をしますが、不登校のお子さんがいても行き当たりばったりで対応し、マニュアルのようなものができていかないイメージですね。
学校にあまり頼らずに不登校を解決するための5つのポイント
それでは学校にあまり頼らずに不登校を解決するための主なポイントを紹介します。お子さんにとって学校が良い場所でなくても、保護者が適切にサポートするならお子さんが学校に復帰できる可能性が高いです。
ポイント1:できれば事前に休む期間を決める|長く休ませすぎない
イメージしやすいと思いますが、休む期間が長引くほど学校に復帰しにくくなるものです。不登校になった理由や背景によっては長期的に休ませたくなるかもしれませんが、できれば事前に休ませる期間を決めましょう。
具体的には数日~2週間ほどがいいでしょう。これよりも長期化すると、そのまま数か月~1年以上などと引きずってしまう可能性が高くなります。
ポイント2:安易に甘やかさず、かつ話を聞いて共感を示す
とにかくゆっくりさせたいのが保護者の正直な心情かもしれませんが、上でお話ししたように長期化するほど復帰が難しくなるので、安易に甘やかさないようにしましょう。厳しい言い方になりますが、甘やかすのは保護者自身が安心したいのであって、ほぼお子さんのためにはなりません。
ただしお子さんの話を丁寧に聞いて共感を示すのはとても大事です。例えば「もう色々ダルいし嫌だ」など大人からすれば理解しにくい言葉でも、「確かに毎日学校に行くのってダルいね」などと共感するのです。
これによって保護者が自分の味方であると理解し、お子さんの精神状態が安定して、再登校へと向かって行きやすくなることでしょう。
共感を示してもお子さんの言いなりにはならない
ただ、共感を示してもお子さんの言いなりになるのは避けましょう。もう色々ダルいし嫌だ、に対しても共感を示すべきではありますが、だからといってあっさりと学校を休ませるのはNG。この場合は「ダルいのはわかるけど頑張ろう」という方向性の諭し方をするべきですよね。
ポイント3:学校への連絡などは保護者が行う
お子さんにとって担任の先生などへの連絡は多大なプレッシャーになりやすいので、保護者が行うことを心掛けましょう。また、たとえお子さんが精神的負担を感じなくても、保護者が話した方がスムーズかつ深いやり取りをしやすいですよね。
ポイント4:お子さんの生活リズムを崩さないようにする|デジタル依存にも注意
登校しないことで早寝早起きの必要がなくなるので、油断していると簡単に生活リズムが崩れ、酷い場合は完全に昼夜逆転してしまう恐れがあります。そうなると本人がいくら学校に復帰したくても難しくなる可能性が高いので、お子さんの生活が乱れないようにサポートしましょう。
具体的にはお子さんが寝ていてもいつも通りの時間に起こし、夜は早く寝るように言い聞かせつつ誘導する。例えば朝のゴミ出しを任せて、起きる理由を明確に作ってあげるのもおすすめです。
また、手持ち無沙汰になったお子さんはオンラインゲーム、YouTube、SNSなどによって、デジタル依存しやすいので、1日どれくらいデジタルに触れていいか時間や回数をお子さんと一緒に決めるのも大事です。
その代わりに1日のスケジュールをお子さんと相談しながら組み、何もしない時間を長くしすぎないことも重要。勉強、遊び、家の手伝いなどを適度に入れながらスケジュールを組めるといいですね。
ポイント5:早めの学校復帰を重視する方針の専門家を頼る
ポイント1~4などで土台作りをしたら、早めの学校復帰を重視するタイプの専門家を頼ることを検討しましょう。専門家の中にも、とにかくゆっくり休ませることだけを重んじるタイプが少なくないので慎重に選定するべきです。
また、すでにお話ししていますが学校のスクールカウンセラーやソーシャルワーカーでも専門性に欠けることがあるので、状況によってはあまり頼れないことでしょう。
保護者だけでお子さんをサポートして復帰させるのは難しい
外部の専門家に頼らず保護者だけでサポートしてお子さんを復帰させたい方もいるでしょうが、おすすめしません。そもそもノウハウがない保護者が大半でしょうし、あっても時間や体力が足りずにサポートし切れない可能性がありますよね。
そのため無理をせずに外部の専門家に力を貸してもらうことをおすすめします。そして保護者の方はエネルギーを温存して、お子さんの話をじっくり聞く、生活リズムを崩さないようにサポートする、などの部分に力を入れるといいのではないでしょうか。
それに保護者の方が疲弊するとお子さんが心配しますし、不登校なせいで負担をかけているのではと自分を責めて塞ぎ込んでしまうお子さんもいます。内心はどうあれ、お子さんにはケロッとした姿を見せたいところですね。
まとめ
すべての学校や教員がそうとは限りませんが、お子さんが不登校でも満足に対応してもらえない可能性があります。それはリソースや制度の関係上仕方ない場合が大半なので、学校に多くを望まず保護者の方がサポートするのがおすすめです。
ただ、保護者だけで解決させるのは難しいので、数日ほどお子さんを落ち着かせたら早めに外部の専門家を頼るといいでしょう。専門家なら誰でもいいわけではなく、早期復帰を重視するタイプの人を探すのがポイントです。