不登校の子は多いという言葉がお子さんの助けになり得る3つの理由と5つの注意点
この記事ではお子さんの不登校でお悩みの保護者の方々に向けて、不登校の状態になっている子は多いという言葉やその事実が、お子さんの助けになり得る理由や注意点などについてお話ししていきます。
特に子どもが不登校で精神的にふさぎ込んでしまっている方や、お子さんをどのようにケアしていいかわからず自分も焦っている保護者の方々におすすめの内容となっています。
不登校児の現状、人数をはじめ、「不登校の子は多い」という事実がお子さんの助けになり得る理由や伝える際の注意点を解説します。ぜひ参考にしてください。
不登校になっている子は少なくない。具体的な人数は?
データの取り方によって多少異なりますが、小学校・中学校における不登校のお子さんの合計数は約30万人です(2022年度)。これは全小・中学生のおよそ3.2%にあたり、クラスに1人ほど不登校の子がいる計算になります。なお、2017年頃から不登校のお子さんは急増しており、今後も増加傾向が続くと見られています。
そして不登校の高校生も6万人ほどおり、これも決して少なくはないと言えますよね。
なお、この数字を受けて高校生になったら通信制高校などに登校できると励ますケースもありますが、特に小学生のお子さんにとっては先の話であり、あまり慰めにはならない場合が多いでしょう。
不登校ではなく長く休んでいる子も含めるとさらに多くなる
なお文部科学省による不登校の定義は、要約すると「年間30日以上欠席していて、その理由が心理的・情緒的・身体的、もしくは社会的要因によるもの」とされています。ここには病気(適応障害、起立性調節障害など)や経済的な理由で登校できていないことは含まれていません。
そのため、小・中学校における「長期欠席者数」全体はおよそ46万人にのぼります。不登校が約30万人、それ以外の長期欠席が約16万人という内訳です。
いずれにしても学校に通えていない子は多いという客観的な事実があります。この事実をどう伝えるかによって、お子さんの心を和らげるきっかけになります。具体的な理由と注意点について、詳しく見ていきましょう。
不登校の子は多いことが助けになり得る3つの理由
ここからは、不登校の子は多いという事実をお子さんに伝えることが、なぜ助けになり得るのか、その理由を3つ紹介します。単なる事実を伝えて意味があるのだろうかと感じるかもしれませんが、お子さんにとって大きな救いとなるケースは少なくありません。
理由1:自分はとんでもないことをしているという気持ちが薄れやすい
不登校になっているお子さんの中には、例えば、クラスの子はみんな登校している、不登校の自分はとんでもないことをしていると自分を責めてしまう子もいます。周りの友だちが当たり前に登校していれば、そう感じてしまうのも無理はありません。しかし前述の通り、不登校のお子さんは決して少数派ではありません。つまり自分だけが特別な異常事態に陥っているわけではないのです。ご本人や保護者の方が焦ってしまうのは当然ですが、まずは客観的に誰にでも起こり得るごく普通のことと捉え直してみるのも大切です
自己否定感からの回復も期待できる
不登校のお子さんの多くは強い自己否定感を抱いている子も多いですが、自分だけではないと知ることで、その苦しみが和らいでいく期待が持てます。そもそも学校に通っているかどうかに関わらず、お子さんには独自の長所や魅力が数多くあります。学校に登校していないという一点だけで、自分自身の全てを否定する必要はないのです。
理由2:孤独感が和らぐ
自分だけが不登校で悩んでいる、自分だけがおかしいという不安や孤独感は、仲間がいると知ることで大きく軽減されます。心の負担が軽くなること自体が、前を向くきっかけや再登校へのエネルギーになる場合もあります。また、孤独感などを軽減させるために不登校のお子さんが集まるフリースクールなどの「居場所」を活用するのも有効な方法です。
理由3:不登校の解決策を見つけやすい
不登校のお子さんが多いということは、それだけ関連情報や解決策、サポート体制が豊富に存在するということでもあります。ネットで手軽に体験談を調べるだけでなく、専門機関やカウンセラーへ相談するなど、具体的な解決に向けた一歩を踏み出しやすい環境が整っています。
お子さん一人で情報や解決策を探すのは難しいため、保護者の方が寄り添って一緒に探してあげることが大切です。
不登校の子は多いことを伝える際の5つの注意点
続いては不登校の子は多いという事実を伝える際の注意点を5つ解説します。伝え方を誤ると逆効果になる場合もあるため、お子さんの心境に配慮しながら伝えることが重要です。
注意点1:その言葉自体では状況が変わらない
不登校の子は多いという言葉は心を軽くするきっかけにはなりますが、それだけで現実の課題が直接解決するわけではない点に注意が必要です。親子ともに学校に行けるようになってほしいと望むのは当然ですが、言葉をかけるだけで解決するとは限りません。また、言葉の扱いに失敗すると不登校が長引いても、そういう子は多いから大丈夫と根本的な解決を先送りする慰めだけに終始してしまうリスクもあります。
「言葉」は心のエネルギーを生み出すためのもの
では言葉に意味がないのかといえば、そのようなことは決してありません。あなただけじゃないから大丈夫という安心感が心のエネルギーとなり、結果として一歩前に踏み出す原動力になるケースは多く存在します。
注意点2:不登校になっている私自身を見てくれない感覚に陥る場合も
例えば「あなただけが悩んでいるわけじゃない」と無神経に言われてしまうと、お子さんは自分自身の苦しみを見てくれていないとショックを受ける可能性があります。あくまでも、自分を責めない安心感を伝える言葉が大切です。
注意点3:悩みを軽視されたと感じかねない
みんな同じだといった投げやりな言い方は、自分だけのこの苦しみを軽視されたとお子さんに突き放されたような印象を与えてしまいます。ここでも、お子さんが悪いわけではないから安心してほしいという共感と容認のスタンスで伝えることがポイントです。
注意点4:他人と比較してしまう子もいる
他にも不登校の子がいると聞くことで、かえって他人と自分を比較し、自分は不登校の中でもダメな方だとさらに落ち込んでしまう子もいます。これに関しては言い方ではどうにもならない場合もあるので、お子さんの性格や様子を見ながら伝えるかどうか考えることをおすすめします。合わなさそうなら他の慰め方を考えてみてくださいね。
注意点5:お子さんが誤った・偏った情報に振り回されないように注意する
ネット環境が身近な現代では、お子さんだけで不登校について調べて、誤った情報や偏った意見に振り回されてしまう可能性があるので注意しましょう。上記で解決策が見つけやすいとお伝えしましたが、間違った情報に触れやすいということでもあるので気を付けてくださいね。
ネットを活用する際は放置せず、保護者の方が一緒に情報を探したり、閲覧している内容にさりげなく気を配ったりするサポートが求められます。
まとめ
「不登校の子は多いから、あなたはおかしくないから安心して」とお子さんに伝えることがお子さんの心のエネルギーになり、具体的に前を向くための後押しになる可能性がありますし、保護者の不安も和らぐかもしれません。
ただし、伝え方によっては、悩みを軽視された、突き放されたと受け取られてしまう場合もあるため、言い方には十分な配慮が必要です。お子さんの性格によっては他人との比較で落ち込んでしまうこともあるため、状態を見極めながら、その子に合ったアプローチで温かくケアしていきましょう。