発達障害の子を褒める3つの視点|結果だけ褒めるのはNG
この記事では、発達障害のお子さんを褒めるために重要な「視点」について解説していきます。「褒めるべきなのはわかるけれど難しい」「褒め方がワンパターンになってしまう」などとお悩みの方は少なくないと思います。
そこで本記事では、まず結果だけを褒めることのリスクを解説し、続いて発達障害のお子さんの魅力を引き出す具体的な視点についてお伝えします。
結果だけを褒めることの危うさとは?|発達障害支援
例えばテストの「結果」だけを褒めることには以下のような危うさがあります。
- 高得点でない場合は褒めない可能性が高い(それどころか叱る)
- 「頑張ったという事実は見てくれない」とお子さんが落ち込む場合も
- 「どうして結果が出ないのだろう」と、親のほうが焦りや不安を抱いてしまう場合も
- 「結果さえ出ればいい」と得意分野では手を抜くようになる場合も
- 結果だけを求めて、カンニングや点数のごまかしといった不適切な行動に出るケースも
このようなことがありますから結果だけでなく過程こそ褒めるのが大事です。
ただし「結果」を褒めないのも不健全です|結果を褒めるコツは?
ただし「結果よりも過程」という考え方が行き過ぎて、結果を全く褒めなくなるのも不健全です。
例えば「初めて100点が取れた!」とお子さんが嬉しそうに報告してきたのに、「努力してきたからね!偉い」など、100点を取れたことに一切触れないとなると、「え、100点を取ったこと自体はすごくないの……?」とガッカリするかもしれません。
そのため「100点なんてすごい、努力してきたもんね!」「すっごく頑張って100点が取れて偉いね!」など、「努力があって100点が取れた」という形で褒めることをおすすめします。こうすれば「結果がすごいこと」も「努力がすごかったこと」も両方触れられますよね。
子どもを褒めるための3つの視点と褒め方の例|発達障害支援
それでは発達障害のお子さんを褒めるために重要な3つの視点と褒め方の例を紹介していきます。
もちろん発達障害でなくても大事な視点なのですが、特に発達障害のお子さんの場合、特性によっては「目に見える成果」として表面化するまでに時間がかかる傾向があります。そのため、これから解説していくように「目には見えにくい部分」にも注目して褒めていくことが大切です。
また、この3つの視点があると褒め言葉が「頑張ったね」「努力してきたもんね」などの簡単なものだけではなくなります。
1:お子さんが自分と向き合おうとしているか
例えばお子さんが以下のようなことを言ったなら、それは自分と向き合っているということですからそれだけで立派です。
- ○○が苦手なんだけどどうしたらいいのかな?
- ○○が得意だからもっとやってみたい
- ○○が好きだからもっと知りたい
- ○○が嫌いだからあんまりやりたくない!
大人の私たちであっても、自分の苦手や得意、あるいは本当の好き嫌いをここまで客観的に自覚することは、決して簡単ではありません。
褒め方の例
お子さんが自分と向き合えている場合の褒め方は例えば以下の通りです。
- 自分の苦手なものがわかるなんてすごい。苦手を克服しようとしていて偉い
- 得意分野をもっと伸ばそうとするなんて偉いね
- 嫌いなものがわかることもとっても大事だから偉いよ。「嫌い」ってちゃんと教えてくれてありがとう
もちろんこれらは「褒め方の土台部分」でしかないので、例えば「算数が苦手ってわかって偉いよ」「でも克服する方法はあるから頑張ろう!」、「ピーマン嫌いだったんだね、教えてくれてありがとう」など具体的に肉付けしてくださいね(以下の解説で挙げる例についても同じです)。
2:自分を成長・変化させようとしているか
例えばお子さんがこのようなことを言動を取っている場合、自分を成長・変化させようとしていると考えられます。
- 宿題のために机に座れるようになった(座れるようになっただけでも立派)
- お風呂掃除のコツを聞いてきた(それでお風呂掃除がそれほどうまくならなかったとしても)
- ファッションに興味を持ち始めた
- 友達が増えた
上2つのように成長した・成長のために頑張っている場合はわかりやすいと思いますが、下2つのように変化した・変化しようとしているケースでも、そのことに触れてあげるとお子さんは喜びますし、「親がちゃんと見てくれている」と安心・信頼しますよ。
褒め方の例
それでは褒め方の例を紹介します。
- 最近落ち着いて机に座れるようになったね。成長した!
- お、今もちゃんと掃除してくれてるけど、もっとうまくなりたいの?偉いね!
- お、いいね。着てみたい服とかある?
- 最近○○君たちとよく遊ぶようになったね。お母さんも嬉しいよ
4番目は「褒め」とは違うかもしれませんが、「私(ここではお母さん)」も嬉しいと、私を主語にすることでお子さんの心に響きやすくなります(アイメッセージというテクニックです)。
そして下2つですが、例えば「お、とうとう服に興味を持ったかあ~(ニヤニヤする)」「一人ぼっちだった○○君に友達ができて嬉しい」など、「からかい」や「下げすぎ」にならないように気を付けてくださいね。
3:他人や外の世界をつながろうとしているか
特に発達障害のお子さんは「自分の世界」をハッキリ持っていて、それにこもりがちになる傾向もあるため、例えば「以下のように他人や外の世界につながろうとする意志」が見える場合はぜひ褒めてあげてください。
- 行ったことのない場所に遊びに行きたいと言ってきた
- 新しい友達と遊びに行こうとしている
- 「先生って休みの日は何をしているんだろうね」と言ってきた
- ニュース番組を観て「これって何?」と聞いてきた
- 「買い物してみたい」など新しい挑戦をしたいと言ってきた
褒め方の例
それでは褒め方の例を紹介します。特にこちらについては「褒める」というよりも「お子さんの変化を喜ぶ」ような言葉をかけてあげるといい場合も多いです。
- ○○に行きたいの?ナイスアイデアだね、興味を持ってくれて嬉しいよ
- 前よりもよく友達を遊ぶようになって嬉しいよ
- 確かに先生が休日何をしているかってちょっと気になるよね、面白い疑問を持てたね!
- ニュースに興味を持つようになって嬉しいよ、じゃあもっと調べてみようか?
- そっか、あなたも自分で買い物したい年齢になったか、成長したねえ!
注意点として、例えば3番目のように「他人のプライベート」に興味を持つようになるのも成長の一種ですが、「でも先生にしつこく質問しちゃダメだよ」「先生にも知られたくないことはあるからね」「休日は何をしているんですか、くらいにしておこうね」など、他人の領域に踏み込みすぎないように指導しましょう。
まとめ
発達障害のお子さんを褒めるための3つの視点を紹介しました。あくまで「視点」ですので、今回取り上げたような角度からお子さんを見守ってみて、できるだけ具体的に、お子さんが前向きになれるように褒めていただければと思います。
また、忘れがちですが「結果そのもの」を褒めることも大事です。例えばテストで高得点ならわかりやすく褒められますし、前回よりも伸びてお子さんも満足気なのであれば、一例として「今回は前回より15点もアップしたね、すごい!」などと褒めていいのでないでしょうか。