発達障害の子のスマホ依存対策5選|スマホ依存の基準は?
この記事では、発達障害のお子さんを持つご家庭に向けて、スマホ依存のリスクや具体的な見極め基準、そして家庭で実践できる効果的な依存対策について解説します。
「連絡用にスマホを持たせたものの、四六時中夢中になっていて心配」「依存一歩手前に見えるけれど、どこからが危険なのか基準がわからない」とお悩みの方は多いのではないでしょうか。そこで本記事では、発達障害だとスマホ依存になりやすいこと、スマホ依存の基準、具体的なスマホ依存対策方法などに関して解説していきますので、ぜひ参考にしてください。
発達障害の子はスマホ依存になりやすい
まず発達障害の場合、脳の前頭葉にドーパミン(やる気スイッチのような物質)が届きにくいと言われています。そしてスマホそのものやスマホゲームなどには、短時間でドーパミンを出しやすい要素が色々ありますから、特に発達障害の人はスマホ依存になりやすいと言われています。
「スマホの触りすぎに気を付けなさい」の言葉だけでは効かないため対策が必要
そしてスマホ依存になっている人がスマホを触っている際には、危険な薬物を使っているときと同じくらいのドーパミンが分泌される場合さえあると言われています。そのため保護者の方などが「スマホの触りすぎに気を付けなさいね」などと言葉で伝えるだけではほとんど効果が望めません。他の方法で対策する必要があります。
スマホ依存の基準5つ|発達障害支援
それではスマホ依存の基準をいくつか紹介していきます。スマホ依存の明確な定義はありませんが、複数該当する場合は専門家への相談の検討もおすすめします。
1:本人や周囲が困っている
実はこの基準が最も重要です。この基準を大前提として「2」以降を読み進めていただければ幸いです。
仮に1日8時間以上スマホを触っていても本人や周囲が困っていなければスマホ依存とは言い難いですが、逆に触る時間が1日1時間未満でも、困っているのであればスマホ依存と考えるべきです(実際にスマホ依存と診断されるかは別として対策は必須)。
発達障害でなくてもスマホを触ることがリフレッシュになっている人もいます。そのため「スマホを絶対に触らせない!」など極端なことを考えるのも好ましくありません。
2:スマホを買い与えてから今までできていたことができなくなった
スマホを買い与えてから、例えば宿題、家の手伝い、食事、入浴など、それまでできていたことがまともにできなくなった場合は、スマホ依存の可能性があります。お子さん本人としても「やらないと……」と思っているにもかかわらず、スマホを優先してしまっているケースも少なくありません。
3:スマホを買い与えてから他の趣味への興味が薄れた
スマホを買い与えてから、他の趣味(運動、漫画、読書、ゲームなどなど)への興味が薄れた場合、「他のどの趣味で出るドーパミン量も、スマホを使った場合に出る量に勝てない」という状況になっている可能性があり、スマホ依存の疑いがあります。
4:隠れてスマホを触ろうとする
隠れてスマホを触ろうとする場合、「良くないとわかっているもののやめられない」という非常に好ましくない状態になっている可能性があります。もちろんこれもスマホ依存かもしれません。
5:心身の不調が出る
首、腰、背中、肩などの痛み、不眠傾向、集中力の低下などの心身の不調が出ていて、かつスマホの使用時間が長い場合はスマホ依存かもしれません。ただ、スマホ以外の要素も不調の原因になっている可能性もあるため、スマホ依存さえ直せば全部解決するとは思わないようにしましょう。
発達障害の子のスマホ依存対策5選
それでは発達障害のお子さんのスマホ依存対策方法をいくつか紹介していきます。先ほどもお伝えした通り、言葉で言って聞かせるだけでは効果が薄いため、論理的な方法でケアすることが大事です。
1:物理的にスマホの使いすぎができないようにする【最重要】
カギ付きのボックスなどにスマホをしまって、物理的にスマホの使いすぎができないようにする方法がおすすめです。最近では「設定した時間が過ぎるまで開けなくなるボックス」もありますから、そちらを活用するのもいいでしょう。
スマホのことに限らず、特に発達障害のお子さんの支援ではこの「物理的にできないようにする」という方法がよく使われています。「少し情に欠けるのでは?」と感じるかもしれませんが、このやり方でお子さんの問題行動を減らす方がよほど愛情があるのではないでしょうか。
お子さんに説明して納得させてから実践する
お子さんに事前説明せずに「スマホは隠したからね!」のようなスタンスで臨むと、信頼を失って、スマホ以外の要素でも問題行動が増える可能性があります。そのため必ず前もって説明して納得させましょう。発達障害の場合、精神論などを伝えても理解しない傾向にあるため、淡々と先ほどお伝えしたスマホ依存のデメリットを教えるといいでしょう。
2:「○時~○時まではスマホを使っていい」など時間を決める
人間は例えば「1時間しか遊んじゃダメ」よりも「1時間遊んでいいよ」とポジティブに言われる方が受け入れやすい生き物であり、特に発達障害の方はその傾向が強いとされています。
そのため一例として「1日1時間スマホを使っていいよ」「夜7時まではスマホを使っていいよ」などとルールを決めるといいでしょう。「休日は○時間OK」「朝は○時までOK」など細かくルールを決める場合は、紙にまとめて貼り出すことをおすすめします。
スマホの使用時間がわかるアプリケーションを活用する
「○時まで使っていい」はわかりやすいと思いますが、「1日1時間使っていい」などは自分では管理(計算)しにくいかもしれません。そういった場合は、スマホの使用時間がわかるアプリケーションなどを使うことをおすすめします。
3:お子さんの興味(趣味など)を増やす
スマホを触る時間が減って手持ち無沙汰になり、例えばゲームなどにのめり込むようでは意味がありませんよね(時間制限などがあればもちろん構いませんが)。そのためお子さんの趣味などの興味を増やすことが大事です。
ただ、他の人から押し付けられた趣味は続きにくいので、日頃からお子さんの様子をよく観察して興味がありそうなものをすすめるといいでしょう。例えば野球中継をよく観ているようならキャッチボール、漫画が好きならお絵描き、親が料理している様子をよく眺めているなら簡単な料理をすすめてみるなどですね。
また、ルービックキューブやダーツ(おもちゃ的なリーズナブルで安全なものもあります)などシンプルかつ時間を潰しやすいものを調達して、親がお子さんの近くで遊んでいると、興味を持ってくれるかもしれません。
4:お子さんがスマホゲームやSNSを好きなら親もやってみる
親も一緒にスマホゲームやSNSをすることでお子さんにとっての楽しさが高まり、短時間でも満足できるようになるかもしれません。スマホゲームなら一緒に遊び、SNSなら他人に閲覧されない設定にして交換日記のように楽しむなどするといいでしょう。
ただし親にとってスマホゲームやSNSが負担になるなら無理をする必要はありません。そこまでお子さんのために尽くすのはパラーバランスとしておかしいからです。他のことでスマホ依存対策をしましょう。
必要に応じてSNSの危険性を教える
特に発達障害の場合「顔の見えないSNSでも世界中に見られている」「最悪の場合個人を特定される」などの意識が薄く、SNSの危険性を理解していない可能性もあります。お子さんが他人に見られる設定でSNSを楽しむのも悪いことではありませんが、必要に応じてリスクについても教えましょう。
5:親もスマホを触りすぎない
スマホのことに限りませんが特に発達障害の子は「微妙な物事の割り切り」が苦手な傾向にあるため、「親はできていないけれど自分はやる」などと考える可能性は低いです。そのため親もスマホを触りすぎないようにしましょう。
ギクッとした方はお子さんとともにスマホ依存対策に取り組んでみてはいかがでしょうか。お子さんとしても親と一緒にできるのであればモチベーションが上がるかもしれません。
まとめ
もはや人間はスマホに依存しやすい生き物というレベルなので、「うちの子に限ってそんなことは……」という考えは改めましょう。
そして特に発達障害のお子さんの場合、スマホ依存対策として最重要なのは、物理的にスマホを触れないようにすることです。ただ、そのことは事前にきちんと説明するようにしてくださいね。