発達障害の子のこだわり・常同行動への3つの考え方|やめる必要はある?
この記事では、発達障害のお子さんのこだわりと常同行動などについて解説します。
「親からは理解できないこだわりが強い」「発達障害のためかよくわからないことを繰り返す」と心配している方も少なくないと思いますが、後者は「常同行動」かもしれません。
本記事では、こだわりと常同行動の定義や違い、こだわり・常同行動に対する考え方、別の行動をすすめる際のポイントなどに関してお伝えしていきます。
「こだわり」と「常同行動」の違いは?|発達障害の基礎知識
発達障害のお子さんに多い「こだわり」と「常同行動」には以下のような違いがあります。
- こだわり:興味のあることや好きなことに対する強い執着(偏食がある、特定の玩具でしか遊ばない、アニメのワンシーンのみ繰り返し観る、特定の数字に執着するなど)
- 常同行動:他人から見て意図がわからない繰り返し行動(身体をゆすり続ける、同じ場所を歩き回る、頭を振り続けるなど)
例えば「どうしてもこの靴下じゃないと嫌だ!」というのはこだわりですが、「靴下を履いたり脱いだりを無意味に繰り返す」のは常同行動ということになります。
こだわりと常同行動の明確な区別をつける必要はありません
ただ、発達障害のお子さんのサポートをするにあたって「こだわり」と「常同行動」の明確な区別をつける必要はありません。まず、どちらであってもサポート方法は似ているからです。
それに「こだわりと呼ぶか、常同行動と呼ぶかしっかり判断する」よりも、お子さんの様子を見て適切なサポートを実践する方が大事ですよね。本記事でもこだわり・常同行動とまとめて呼ぶことにします。
発達障害の子のこだわり・常同行動に対する考え方3つ
それでは発達障害のお子さんのこだわり・常同行動に対しての重要な考え方を3つお伝えしていきます。「こだわり・常同行動は必ずなくすべき」という発想にとらわれず、お子さんと接することが大事です。
1:デメリットのないこだわり・常同行動を無理にやめさせる必要はない
まずデメリットのないこだわり・常同行動を強引にやめさせる必要はありません。例えば「アニメの同じ場面ばかり繰り返し観る」「家の窓際をウロウロしたがる」などは、親からすると不可解に思えるかもしれませんが、実害はないはずです。
「アニメの同じ場面ばかり観ていて、親にチャンネルを譲らない」「家の窓際をウロウロしていて邪魔になる」などの場合は様子を見てやめさせるべきですが、そうでなければ見守るだけにしてもいいはずです。
そもそも親の方に自覚がないだけでお子さんも、例えば「お母さんはいつも○○している」「お父さんは妙に□□したがる」など、親のこだわりを感じているかもしれません。お互い様と考えた方が気楽なのではないでしょうか。
2:こだわりや常同行動は変化する
同じこだわり・常同行動が永遠に継続するわけではなく、お子さんの言語関連・認知・概念理解などの発達によって変化していく場合が多いです。そのため「なぜかこだわり・常同行動が変わった!」と心配する必要は基本的にありません。
3:こだわりや常同行動から「発達の遅れの疑い」がわかる場合も
そして例えば、幼少期は「積み木を一列に並べる遊び」を繰り返していたとしても、ある程度成長したら「ひたすらパズルを組み立てる遊び」を繰り返すようになるかもしれません。
つまり、こだわり・常同行動の変化に関しても「今、子どもの発達はどれくらい進んでいるのか」という観点を持ち込むのが重要ということです。
一列として「年齢の割に単純な遊びにばかりのめり込む」という場合、発達が遅れているのかもしれません(専門的な判断はプロにしてもらいましょう)。
発達障害の子のこだわり・常同行動に対して「別の行動」をすすめる2つのポイント
続いては発達障害のお子さんのこだわり・常同行動に対して、「別の行動」をすすめる場合のポイントを紹介します。
1:現状のこだわり・常同行動と比較せず、「これも楽しいよ」とすすめる
たった今のこだわり・常同行動と比べずに、「これも楽しいよ」というスタンスですすめるといいでしょう。逆に以下のような言い方では親への不信感を抱いたり、「絶対にやらない!」という反応になったりする恐れがあります。
- そんなことよりこれの方が楽しいよ(比較はNG)
- これも楽しいからやってみなさい!(強制しない)
- それはやめて、こっちにしなさい(現状の行動をやめさせる必要はない)
2:こだわり・常同行動はやめさせず、できることを増やすつもりで|その方法は?
こだわり・常同行動であっても「その行動ができる」という価値があるため有意義です。その価値を損なわず、できることを増やすつもりで新しいことをすすめるといいでしょう。そのための主なポイントは以下の通りです。
- 現状のお子さんにできそうなことをすすめる(無理なことはすすめない)
- お子さんが興味を持ちそうなことをすすめる(親の興味ではありません)
- 「こだわり・常同行動」がさらに楽しくなる新しい行動をすすめる(例:積み木並べが好きなら、規則正しく色を並べることをすすめる)
こうした工夫をすることで、お子さんに無理なく新しいチャレンジをさせることもできます。こだわり・常同行動に生活が支配されすぎると、挑戦の機会が減るため気を使ってあげることが大事です。
まとめ
発達障害のお子さんのこだわり・常同行動ですが、デメリットがなければ基本的にやめさせる必要はありません。他人からはわからなくても、それがお子さんにとって大事なことなのかもしれません。
ただ、親としては新しいことにも挑戦させたいと思うはずです。その場合は「今のこだわり・常同行動と比較しない」「強制しない」といったことに気を付けつつ、「これも楽しいよ」とおすすめするといいでしょう。