発達障害の子供のチェックリスト|年齢別の特徴【診断テスト】
最近よく耳にするようになった「発達障害」という言葉ですが、チェックリストなどの判断基準が幅広くなったことで、発達障害と診断される子供の数が増えているようです。
2022年の文部科学省の調査で、発達障害の可能性がある児童生徒は、小・中学校の通常学校に8.8%いると推定されています。
また特性や傾向はあるものの、発達障害を診断されるに至らない「グレーゾーン」と呼ばれる子供たちがいます。強い個性としてみなされるだけで、一見問題がないように見えますが、それぞれに生きづらさを抱えていることは事実です。
今後もそのような子供たちへの理解や支援が必要になってきています。
今回は発達障害の種類や特性、診断基準となるチェックリストまでを詳しくご紹介します。
この記事で紹介する発達障害のチェックリストについて
本記事では発達障害のチェックリストを、診断基準となる「DSM-5」を用いてご紹介します。
「DSM-5」とは、米国精神医学会によって刊行されたもので、主に精神障害に関する診断基準や分類体系をいいます。DSMの正式名称は「精神疾患の診断・統計マニュアル(Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders)」といい、その頭文字を略してDSMと呼びます。
「DSM-5」の「5」は第5版を指します。1952年に第1版が刊行され、その後、改訂を重ね、2013年に刊行された第5版が改訂新版となります。
従来診断と比べると診断基準が示されているだけに、客観的な診断が可能となり、恣意的な診断を避ける意味でも有用とされています。
「DSM-5」の他に「ICD-10 」、「ICD-11」などがありますが、これらは世界保健機関(WHO)により作成された疾患分類のことです。精神障害のみでなく全領域の疾病を分類しており、公衆衛生の統計、役所の書類など行政の場面で使用されることが多いようです。
発達障害の診断は、精神科や心療内科など、発達障害を専門とする医師に判断してもらうことが必要です。
発達障害とは
「発達障害」とは、先天的な脳機能障害のことです。
発達障害者支援法において「自閉症、アスペルガー症候群その他の広汎性発達障害、学習障害、注意欠陥多動性障害その他これに類する脳機能の障害であってその症状が通常低年齢において発現するものとして政令で定めるもの」と定義されています。
外見からは障害がわかりづらいこともあり、周りから理解されず、日常の様々な場面で苦しんでいる子供も多くいます。
症状として現れる性格や行動の違いは「個性」としてみなされ、それ自体がよい悪いといわれるものではありません。
一人ひとりに寄り添うには、個々の特性を理解した上での周囲のサポートや生活の工夫が必要とされています。
- 発達障害の主な分類(ADHD/ASD/LD)
- 発達障害のグレーゾーンとは
発達障害の主な分類(ADHD/ASD/LD)
発達障害は主に以下の3つに分類されます。
注意欠如・多動症(ADHD)
多動症(ADHD)の特徴としては、「不注意」「多動性」「衝動性」などがあげられます。学齢期の子供の3〜7%が発症すると言われています。
どのような特性が強いのかは個人差がありますが、ほかの子と比べて落ち着きのなさが極めて目立ち、日常生活やコミュニケーションにおいて困難をともないやすくなるようです。
具体的には「忘れ物やなくしものが多い」「集中力が持続できない」「じっとしていられない」などが症状として見られます。
自閉スペクトラム症(ASD)
自閉スペクトラム症(ASD)とは「社会性」「コミュニケーション」「想像力」の3つに対して苦手さを持つという発達特性をもっています。これを「三つ組みの障害」といいます。
自閉スペクトラム症の子供は人に対する関心が弱く、視線が合わなかったり避けたりするなどの特性があげられます。また、いつも同じようなやり方や状態を好むなど、こだわりの強さがみられるのも症状としてあげられます。
特性のあらわれ方には個人差があり、同じ子供でも年齢によって変化するなど一様ではありません。
学習障害(LD)
学習障害(LD)とは、聞く、話す、読む、書く、計算又は推論する能力のうち特定の領域で学習の遅れがみられる状態を指します。
主にディスレクシア「読字障害」、ディスグラフィア「書字障害」、ディスカリキュリア「算数障害」に分類されます。具体的な症状としては、「読字障害」では字を読むこと、「書字障害」では字を書くこと、「算数障害」では算数・計算、文章題など推論することが困難ということがあげられます。
学習障害は知的な遅れや視聴覚の障害ではありません。教育環境も整っており、本人の努力に問題がないことが前提とされています。兆候としては就学後に気づかれることが多く、何らかの学習面での困難がともなったときに見つけられるようです。
発達障害のグレーゾーンとは
発達障害の「グレーゾーン」とは、発達障害の症状が比較的強く見られるものの、基準を満たしていないことから診断がつかない状態のことを言います。
「グレーゾーン」は判断が難しいとされています。それは診断はあくまでも医師の主観によるもので、医師によって異なるためです。またお子様の体調によっても症状の出方が違うということが理由としていわれています。
発達障害であるにも関わらず、「グレーゾーン」として健常児と同じように過ごし、生きづらさを抱えているというケースも少なくはありません。
発達障害(注意欠如・多動症:ADHD)の子供のチェックリスト
以下では、発達障害の一つである「注意欠如・多動症(ADHD)」の子供のチェックリストを紹介します。
DSM-5の診断基準には,9つの不注意症候と9つの多動性・衝動性症候が含まれている。この基準による診断には,6つ以上の症候が1つのグループまたは各グループのものである必要がある。また,症状は以下の条件を満たす必要がある:
- しばしば6カ月以上認められる
- 患児の発達水準から予測されるよりも著しい
- 少なくとも2つ以上の状況(例,家庭および学校)でみられる
- 12歳前に(少なくともいくつかの症状が)みられる
- 家庭,学校,または職場での機能を妨げている
不注意症状:
- 細部に注意を払わない,または学業課題やその他の活動を行う際にケアレスミスをする
- 学校での課題または遊びの最中に注意を維持することが困難である
- 直接話しかけられても聴いていないように見える
- 指示に従わず,課題を最後までやり遂げない
- 課題や活動を順序立てることが困難である
- 持続的な精神的努力の維持を要する課題に取り組むことを避ける,嫌う,または嫌々行う
- しばしば学校の課題または活動に必要な物を失くす
- 容易に注意をそらされる
- 日常生活でもの忘れが多い
多動性・衝動性症状:
- 手足をそわそわと動かしたり,身をよじったりすることが多い
- 教室内またはその他の場所で席を離れることが多い
- 不適切な状況で走り回ったり高い所に登ったりすることがよくある
- 静かに遊ぶことが困難である
- じっとしていることができず,エンジンで動かされているような行動を示すことが多い
- 過度のおしゃべりが多い
- 質問が終わる前に衝動的に答えを口走ることが多い
- 順番を待てないことが多い
- 他者の行為を遮ったり,邪魔をしたりすることが多い
不注意優勢型と診断するには,6つ以上の不注意の症候が必要である。多動性・衝動性優勢型と診断するには,6つ以上の多動性・衝動性症候が必要である。混合型と診断するには,不注意と多動性・衝動性のそれぞれで6つ以上の症候が必要である。
引用元:DSM-5精神疾患の診断・統計マニュアル(原著:American Psychiatric Association)
- 注意欠如・多動症(ADHD)チェックの補足
- 3〜5歳の注意欠如・多動症(ADHD)の特徴
- 6歳以降の注意欠如・多動症(ADHD)の特徴
注意欠如・多動症(ADHD)チェックの補足
上記の基準はDSM‐5より引用したものです。
これよりご紹介する診断チェックは実際に医療機関などで行われるものです。
順番に手順をご説明していきますので、もしお子様の様子に気になるところがあれば参考にしてください。
まず、①【不注意症状(9項目)】と②【多動性・衝動性症状(9項目)】をチェックしましょう。
ここで①と②、または①か(or)②で6つ以上該当した方は、次にあげる症状に該当するかチェックしてください。
- しばしば6カ月以上認められる
- 患児の発達水準から予測されるよりも著しい
- 少なくとも2つ以上の状況(例,家庭および学校)でみられる
- 12歳前に(少なくともいくつかの症状が)みられる
- 家庭、学校、または職場での機能を妨げている
これらの項目の全てに該当した場合はADHDの可能性があります。
3〜5歳の注意欠如・多動症(ADHD)の特徴
ADHDの症状は「不注意」「多動性」「衝動性」の特性がありますが、それらの特徴は乳幼児の多くに現れるために「子供らしい」「わんぱく」「活発」などと見られることが少なくありません。判断がつきにくい時期でもあります。
しかし集団生活が始まることで、性格なのかADHDの特性なのかがはっきりとしてきます。この時期のADHDの子供には、以下のような行動が目立ちます。
- 落ち着きがなくじっとしていられない
- 会話が一方的
- 片付けが苦手
- 癇癪やパニックを起こすなどの感情のコントロールが苦手
- こだわりが強い
- 友達を泣かせたり喧嘩になりやすい
大切なのは早期に専門医の診断を受け、適切なサポートや治療を受けられるようにすることです。保護者もそのときどきの子供の症状に対して適切な対応を学び、実践していく必要があります。
日常生活や園生活に支障がある場合には、保健センターや子育て支援センターなどの身近な窓口などに相談してみてはいかがでしょうか。かかりつけの小児科や、乳幼児健診で相談することもできます。
6歳以降の注意欠如・多動症(ADHD)の特徴
6歳以降の時期になると、学校などの集団の中で過ごす生活が始まり、徐々に健常児との発達の差が目立ち始めてくるようになります。
また自分自身の症状にも気付くようになります。そのため周りの子供と違うことを理解し、同じように出来ないことから、自己肯定感の欠如や自信喪失などの二次障害につながることも少なくはありません。周りの大人にも相談できなくなるケースも出てきます。
この際に、症状があっても適切に対応すればうまくいくこともあるという、成功体験を積むことが大切になってきます。
自身の症状を受け入れ、どのように対処するべきか理解できるようになるには、保護者が良き理解者となり、サポートしてゆくことが大切です。
また家庭では見られない特徴が学校では見られることも多いため、家庭と学校が連携して発達障害の発見や支援に繋げていくことが重要です。
発達障害(自閉スペクトラム症:ASD)の子供のチェックリスト
以下では、発達障害の一つである「自閉スペクトラム症(ASD)」の子供のチェックリストを紹介します。
- 複数の状況で社会的コミュニケーションおよび対人的相互反応における持続的欠陥があること
- 行動、興味、または活動の限定された反復的な様式が2つ以上あること(情動的、反復的な身体の運動や会話、固執やこだわり、極めて限定され執着する興味、感覚刺激に対する過敏さまたは鈍感さ など)
- 発達早期から1,2の症状が存在していること
- 発達に応じた対人関係や学業的・職業的な機能が障害されていること
- これらの障害が、知的能力障害(知的障害)や全般性発達遅延ではうまく説明されないこと
引用元:DSM-5精神疾患の診断・統計マニュアル(原著:American Psychiatric Association)
- 自閉スペクトラム症(ASD)チェックの補足
- 0〜2歳の自閉スペクトラム症(ASD)の特徴
- 3〜5歳の自閉スペクトラム症(ASD)の特徴
自閉スペクトラム症(ASD)チェックの補足
DSM-5では、自閉症スペクトラム障害に共通する特徴として
- 社会的言語コミュニケーションや対人関係の障害
- パターン化された行動様式
- 特定の物・行動に対する強い執着
などが大きく定義されています。
重症度は個人によってさまざまですが、言葉の遅れ、オウム返し、会話が成り立たないなどの、言語やコミュニケーションの障害が認められることが多いようです。
③に「発達早期」とありますが、ASDの症状は乳幼児早期からあらわれます。代表的な症状としては抱っこを嫌がったり、泣き止まなかったりする「感覚過敏」があげられます。また人に対して関心が薄く、親に対して関わりを持とうとしなかったり、人見知りや後追いが見られなかったりなどの特性も乳児期からあらわれてくるようです。
0〜2歳の自閉スペクトラム症(ASD)の特徴
この時期のASDの子供は「とても手がかかる」か「全く手がかからない」かのタイプにわかれるようです。これは感覚過敏の出方の違いから考えられます。
感覚過敏が強い場合、
- 抱っこを嫌がる
- なかなか泣き止まない
- 睡眠リズムがつきにくい
などの症状があらわれ、結果手がかかるように感じてしまうようです。
また人付き合いやコミュニケーションの苦手さが出てくると、親に対してもあまり関わりをもとうとしません。
- 視線が合わない
- 親が見るものに視線を向けない
- 抱きついてこない
- あまり泣かない
などが症状としてあらわれます。
「慣れている人」「慣れていない人」の区別があまりなく、人見知り、後追いも見られにくいことから手がかからなくなるというわけです。
また喃語(コミュニケーションの前段階で使う乳幼児期の言葉)が出にくく、コミュニケーション手段の言語をうまく使えないことが見られるのもこの時期です。
人付き合いに関しては、マイペースさが目立ち人と関わろうとせず、一人遊びが多くなります。2歳頃になると人との関わりには興味を示さない一方でマークやロゴに関心を持つようなことが見られます。
1〜2歳ごろの時期に必要なことは、人に対して興味・関心を高めてあげることです。この時期は、ASDを示す症状が少ない場合でも、今後の発達を促すために、療育をスタートすることも多いようです。
3〜5歳の自閉スペクトラム症(ASD)の特徴
次に3〜5歳の時期にあらわれる特徴について紹介します。
3歳くらいの時期になると、保育園や幼稚園に通い始めることから可能性に気づく方も多いようです。また3歳児検診で要観察になり療育をスタートするご家庭もあります。
感覚過敏については、2歳までに把握できることが多いため、それ以降は他者との「コミュニケーション」に注目してください。この時期の子供には以下のような症状があらわれてきます。
- 集団行動をするのが苦手
- お友達とうまく遊ぶことが出来ない
- 特定の順番やものの位置などにこだわる
- 自分の欲求をうまく伝えられない
- 自分勝手な行動をとったり、状況を読むことが出来ない
- ごっこ遊びが苦手
また集団生活のような家庭以外の場所で症状があらわれることも多く、症状に気付いてあげられないということも増えてくるでしょう。
置かれた環境で子供にどのような困りごとが起きているのか、症状にどのような対応を行うべきか周囲の方々と考えてサポートしてあげることが大切です。
発達障害(学習障害:LD)の子供のチェックリスト
以下では、発達障害の一つである「学習障害(LD)」の子供のチェックリストを紹介します。
A.学習や学業的技能の使用に困難があり、その困難を対象とした介入が提供されているにもかかわらず、以下の症状の少なくとも1つが存在し、少なくとも6ヶ月間持続していることで明らかになる。
- 不規則または速度が遅く、努力を要する読字
- 読んでいるものの意味を理解する困難さ
- 綴字の困難さ
- 書字表出の困難さ
- 数字の概念、数値、または計算を習得することの困難さ
- 数学的推論の困難さ
B. 欠陥のある学業的技能は、その人の暦年齢で期待されるよりも、著明にかつ定量的に低く、学業または職業遂行能力、または日常生活活動に意味のある障害を引き起こしており、個別施行の標準化された到達尺度、及び総合的な臨床評価で確認されている。17歳以上の人においては、確認された学習困難の経歴は、標準化された評価の代わりにして良い可能性がある。
C. 学習困難は学齢期に始まるが、欠陥のある学業的技能に対する要求が、その人の限られた能力を超えるまでは、完全には明らかにならない可能性がある。
D. 学習困難は知的能力障害群、非矯正視力または聴力、他の精神または親衛疾患、心理的社会的逆境、学業的指導に用いる言語の習熟度不足、または不適切な教育的指導によってはうまく説明されない。
引用元:DSM-5精神疾患の分類と診断の手引(原著:American Psychiatric Association)
- 学習障害(LD)チェックの補足
- 8歳時点でチェックしたい学習障害(LD)の特徴
学習障害(LD)チェックの補足
DSM-5には「A」にあげられる①〜⑥の症状が少なくとも1つ存在し、6ヶ月間持続していることで診断が明らかになるとされています。
ここで症状について少し補足させていただきます。Aの①にある「不規則または速度が遅く、努力を要する読字」とは言葉を間違って音読したり、発音に困難を示したりすることなどがあげられます。
②の「読んでいるものの意味を理解する困難さ」とは文章は正確に読めるが、読んでいるものの繋がりや関係性が理解しにくいことを指しています。
また、⑤に示されている「数量の概念」「暗算」「筆算」「文章問題」などの「算数障害」は先天的に「計算や数の概念をとらえる」こと、文章問題などを解くという「推論する」ことに困難さを抱えることを指します。
特に学習障害は算数や数学の試験を受ける必要のない大人になってからも、「読み」「書き」「計算」などの困難さを感じ日常生活に支障を生じる場合は少なくありません。
8歳時点でチェックしたい学習障害(LD)の特徴
学習障害(LD)の特徴として、学校生活での学習が始まるまで見極めが難しいとされています。低学年の7〜8歳頃に違和感を感じ始め、中学年以降に診断されるケースが多いようです。
小学生のころはそれほど学習困難がなくても、学年が上がるにつれて学習内容が高度になり、努力でカバーしきれなくなり自身の特性を実感するようになります。
今から紹介するチェックリストは小学校に上がるタイミングの8歳をひとつの目安にしたリストです。
前提として、ここで紹介する傾向が6カ月以上継続して見られているか確認し、参考にしてください。
■読字障害
- ひらがなや漢字を繰り返し練習しても読めない
- 指で追わないと文字が読みにくい
- 音読を嫌がる
- 読むときに過度に緊張する
■書字障害
- 板書ができない
- 文字のバランスをとることが難しい
- 鏡文字になってしまう
- 文字を書くのを嫌がる
■算数障害
- 数字を覚えられない
- 時計をなかなか読めるようにならない
- 「+、-、×、÷」の記号が理解できない
- 繰り上がり、繰り下がりの理解ができない
子供が発達障害かもと思ったら支援機関や医療機関に相談してみよう
子供の発達が気になったときは一人で抱え込まず、できるだけ早めに支援機関や医療機関に相談しましょう。発達障害を扱う医療機関は数が少なく予約が取りにくい可能性もあります。
その場合は地域の保健センターや保育園・幼稚園の先生、小学校のスクールカウンセラーなどに相談しても良いでしょう。
- 子供の発達障害に関する主な相談先・支援機関
- 発達障害の診断を行えるのは医療機関のみ
子供の発達障害に関する主な相談先・支援機関
次に相談先・支援機関をいくつかご紹介します。
| 市区町村 福祉課 | 自治体のホームページなどで確認することができます。 |
|---|---|
| 教育センター・特別支援教育センター | これらのセンターでは教育指導等に関する研究や教員向けの研修活動と教育相談を行っています。 |
| 発達障害者支援センター | 各都道府県や政令指定都市に設置されており、発達障害のある者とその家族を支援するために設置された公的な施設です。 |
問い合わせ先がわからない場合でも、そこから直接相談ができたり、適切な機関に繋いでくれたりすることもあります。まずは身近な所から相談しましょう。
発達障害の診断を行えるのは医療機関のみ
発達障害の疑いがある場合には医療機関を受診する必要があります。
自分で簡単にセルフチェックを行うこともできますが、こちらはあくまでも傾向があるかを簡易的に知るものにすぎません。医学的な診断に至るには医師による診断が必須です。
どの診療科を受診すればよいのか悩まれる方も多いでしょう。子供の年齢や症状によりますが、まずは小児科や児童精神科、小児神経科などを受診することをおすすめします。大学病院や総合病院での受診することも可能です。
また、お住まいの地域が運営するサイトで医療機関を探す方法もあるので利用してみてはいかがでしょうか。
子供が発達障害、もしくはグレーゾーンと診断された場合
子供が発達障害またはグレーゾーンと診断された場合に必要となるのが「療育」です。
療育とは、障害のある子供が自立した生活を送れるように支援することをいいます。そこに発達障害とグレーゾーンの隔たりはなく、症状の現れ方によっては社会生活に困難をともなうケースも多くあります。
ここからは「療育」の種類、受給証の取得方法などの内容を踏まえ、詳しくご紹介します。
- 発達障害の子供の療育について
- 自宅でのセルフ療育という選択肢も
発達障害の子供の療育について
療育とは「発達支援」とも呼ばれています。療育の対象は、基本的に18歳以下の子供です。現在、厚生労働省では「児童発達支援」という言葉として以下のように定義しています。
「児童発達支援は、障害のある子供に対し、身体的・精神的機能の適正な発達を促し、日常生活及び社会生活を円滑に営めるようにするために行 う、それぞれの障害の特性に応じた福祉的、心理的、教育的及び医療的な援助である。」(出典:厚生労働省 児童発達支援ガイドライン)
療育は個々の特性や発達レベルに合わせ、より良い未来を築くために子供たちの発達を促すことだといえるでしょう。
障害児通所支援とは
障害児通所支援とは、児童福祉法に基づく支援で療育や訓練等が必要な児童に対して日常生活の基本的動作の指導、知識や技能の提供、集団生活への適応等の支援を行うものです。
障害児通所支援は内容によって以下に分類されます。
| 児童発達支援 | 障害のある未就学児を対象に、日常生活における基本的な動作や集団生活への適応等必要な支援を行います。 |
|---|---|
| 医療型児童発達支援 | 肢体不自由があり、機能訓練や医療的支援が必要な未就学児を対象とし、支援を行います。 |
| 放課後等デイサービス | 障害のある小・中・高校生を対象に、放課後または休業日に生活能力向上に必要な訓練、社会との交流促進、その他必要な支援を行います。 |
| 居宅訪問型児童発達支援 | 重度の障害等により外出が著しく困難な障害のある子供の居宅を訪問して発達支援を行います。 |
| 保育所等訪問支援 | 障害のある子供が在籍する保育園、幼稚園、認定こども園、小学校等に専門職員が訪問し、集団生活に適応できるように支援を行います。 |
通所受給者証の取得方法
「通所受給者証」とは、福祉サービスを利用するために必要な証明書のことです。受給者証を取得することにより、行政からの給付金を受けながら福祉サービスを利用することができるようになります。
障害者手帳や療育手帳がない場合でも、医師などの意見書で療育の必要性があると認められた場合、申請することができます。
受給者証の取得方法は各自治体ごとによって異なりますが、ここでは大まかな流れをご説明します。
STEP1:市区町村の担当窓口に相談
お住まいの市区町村の担当窓口に利用したいサービスについて相談をします。
STEP2:施設の見学
利用したい施設への見学や相談をします。事前に施設の空き状況の確認や利用に向けた相談をしておくとその後の手続きなどをスムーズに行うことができます。
STEP3: 市区町村の担当窓口に申請書類の提出
申請に必要な書類は市区町村により異なるため、事前に確認し準備しておきましょう。
STEP4:調査員の面談
調査員が訪問または面談などで、障害状況の程度や適切な支給量などについて調査をします。
STEP5:通所受給証の交付
自治体にて支給が決定されると、受給者証が交付されます。ここで障害児通所支援の種類、通所給付決定の有効期間、支給量などが確認できます。
施設との契約の流れ
自治体にてサービスの支給が決定されると、「受給者証」や「支給決定通知書」が発行されます。
ここで利用・契約の際に通所受給者証とともに必要となるのが「障害児支援利用計画」です。障害児支援利用計画とは、適切な福祉サービスの組み合わせなどを検討し支援方針を作成する中心的な総合計画(トータルプラン)のことになります。
利用する施設に、受給者証と障害児支援利用計画や必要書類を提出し、契約の手続きが完了するとサービスの利用を開始することができます。
療育内容は各施設によって異なる
「療育施設」とは障害のある子供に対し、一人ひとりの特性に合った治療や教育を行う場所のことを言います。
発達障害のある子供に対して行われる療育は「個別療育」と「集団療育」の2種類に分類されています。
「個別療育」とは、子供と支援員が1対1で行う療育のことをいいます。子供の個性や状況に合わせて支援をすることで、個人の能力や強みを伸ばすことができ、成功体験を得やすいという点がメリットです。同時に自己肯定感の向上も期待できます。
「集団療育」とは、複数の子供が一緒に療育を受ける方法です。コミュニケーションスキル・ソーシャルスキルを鍛えることで集団行動のルールを学ぶことができ、周囲に合わせる力が養われることが期待できます。
療育施設では、子供の特性や状況に合わせ、専門のカウンセリングや教育プログラムが提供されます。支援の内容もさまざまです。
内容をよく理解した上で、その子の成長スピードに合った療育サービスを選んであげることが重要だといえるでしょう。
自宅でのセルフ療育という選択肢も
ここまでは施設を利用した療育についてご紹介してきました。療育は必ずしも施設で行わなければならないというものではありません。一般のご家庭でも療育(発達支援)を行うことは可能です。
では自宅療育にはどのような効果があるのでしょうか。自宅療育には以下のように、たくさんのメリットがあります。
- 子供とスキンシップを取ることで理解が深まる
- 他者からの目を気にしなくて良い
- コストを抑えられる
- 継続的に行うことができる
- 子供の状況に合わせて対応できる
施設などの専門的な機関はお子さんの特性を理解した上で、子供に合った療育をしてくれるので、効果があらわれやすいことは確かです。
しかし長い時間を過ごす「家」を療育の場所にすることで、この先も長い目で見た場合に、子供のためには良いと言えるかもしれません。同時に家族の生活の質の向上も期待できるでしょう。
ぜひ自宅療育を選択肢の一つとして参考にしてみてください。
子供が発達障害チェックリストで該当項目が多い場合は専門機関に相談してみよう
本記事では、発達障害の子供の特徴や支援方法について詳しくお伝えしてきました。
「発達障害」と一言で言っても、子供の発達には個人差があり、対処法も一人ひとり違います。基本的な知識を持ち、子供の特性を十分に理解した上でそれぞれに合った支援を行うことが大切です。
子供が発達障害のチェックリストで該当項目が多い場合は、まず専門機関に相談することから始めてみてはいかがでしょうか。
早い段階で専門の医療機関や療育機関とつながることは、子供が抱える生活上の困難を減らす手助けや症状の緩和にもつながります。